DAI & FIFOバッファ

DAIとFIFOバッファを統合した基板を作成しました。 この基板とDAC基板 (たとえばこれ)、CD-ROMドライブとATAPI CD-ROMコントローラがあれば (もちろん電源とシャーシも必要ですが)、CDプレーヤーが作れます。

FIFOバッファとは、First In First Out の略で、最初に入力したものが最初に出力されるバッファ形式です。これにより、一般に行われているリクロックと同等の (それ以上の?) ジッタ除去効果が得られる(はず)と考えています。

この基板は、以前作成したDAI基板FIFOバッファ基板を統合したものです。

構成

DAI (TC9245N)では、CD-ROMドライブからのS/PDIF信号を受信し、次段で使用する384fs (16.9344MHz)、Bitクロック、L/Rクロック、シリアルデータを出力します。

CPLD (XC9572)では、DAIからBitクロック、L/Rクロック、シリアルデータを入力し、Bitクロックを使用してL/Rクロック毎のパラレルデータにシリアル→パラレル変換をします。そのパラレルデータを1チップマイコンのFIFOバッファでバッファリングして、水晶発振器のクロック (768fs、38.9344MHz)でFIFOバッファからのパラレルデータをパラレル→シリアル変換してDACに出力します。また、DACで使用するための384fsクロック (16.9344MHz)とCD-ROMドライブへのクロック (38.9344MHz)を水晶発振器から生成して出力します。

1チップマイコン (ATMEL AT90S8515)は、内蔵の512バイトRAMのうち256バイトを使用してFIFOバッファとして動作します。

XC9572はTTL出力なので、5V CMOS出力となるよう74HC541を通して出力します。

FIFOバッファは、DAIからのBitクロックで書き込まれ、水晶発振器のクロックで読み出されるため、同一の44.1kHz系列でないとバッファ溢れ/バッファ枯渇となり、音跳びとなってしまいます。そこでCD-ROMドライブのクロックを水晶発振器から供給し、システムとして単一のクロック系とします。

回路図

回路図です。 EAGLEで作成しました。 とりあえず繋がっているだけで、非常に汚いですが...

製作

基板

 

10cm×7.5cmの片面基板です。サンハヤトの紙フェノール基板をエッチングして作成しました。 パターンデータは600dpiなので、プリンタで600dpiで打ち出せばそのまま感光用に使えます。 ドリルサイズは、白ポチのところは0.8mm、ピンヘッダのところは1.0mmです。

部品配置

電源はJP6に+5Vを入力します。2ペアありますが、どちらも同じです。

CD-ROMドライブからのデジタル入力は、JP1に入力します。DIN0〜3の4系統があり、JP2のS1/S2をショートジャンパでショートさせて選択します。両方ショートでDIN0、両方オープンでDIN3です。

DAIの出力はJP3です。コネクタ収容は上図に記載したものです。

FIFOの出力はJP4です。左から N.C.、GND、Bitクロック、L/Rクロック、GND、シリアルデータです。

CD-ROMドライブへのクロックはJP7で、左がGND、右がクロック出力です。CD-ROMドライブの33.8688Mhzのセラロックを外して、かわりに接続します。

JP5は、XC9572の書き込みコネクタです。上からTCK、TDI、TDO、TMS、GNDです。

CN1は、AT90S8515の書き込みコネクタです。左上から右にVcc、MOSI、GND、左下から右にMISO、SCK、Resetです。

片面基板なので、ジャンパ線が必要です。J1〜J5の5本を接続してください (J3は不要かも)。J4とJ5はPLCCソケットの下なので、PLCCソケットのハンダ付けの前に取り付けます。

水晶発振器は,33.8688MHzの4ピンのものです。 Digi-keyで購入しました。 表面実装品なので,8pin DIPソケットを加工して取り付けました。

書き込みデータ

1チップマイコン (AVR AT90S8515)への書き込みデータ ver 1.0と、XC9572への書き込みデータ ver 1.0です。

CPLDへの書き込みは、なひたふ新聞さんのnaxjpを使用しました。ケーブルも、そこで紹介されているパラレルポート用のものを作成しました。ただし、私の環境ではTCKとGNDの間に220pFのコンデンサを入れる必要がありました。

AVRへの書き込みは、ChaNさんのシリアルライタを作成、使用しました。

使用してみて

以前、バラ部品で製作したのと同様の動作です。 FIFOバッファの容量が128kbyteから256byteとかなり少ないですが,256byteでも足りているようです。

FIFOバッファの効果は,リクロックと同程度かもしれませんが、かなりあります。 音が静かになり、音場感が出てきます。 製作費も、自分でエッチングするのであれば3000円程度で出来てしまいますのでお薦めです。


2004/3/10